※この記事には、アフィリエイト・プロモーションを含んでいます。

SHARE:

ステーブルコインとは?日本のJPYC・USDCの現状と2026年の制度【最新版】

ステーブルコインとは?日本のJPYC・USDCの現状と2026年の制度【最新版】

先に結論
ステーブルコインは法定通貨などに価格を連動させた暗号資産で、日本では資金決済法上の「電子決済手段」として扱われます。2026年に成立した金商法改正で暗号資産が金融商品へ移管されましたが、ステーブルコインは対象外で資金決済法に残ります。日本円建てではJPYCが2025年10月に発行を開始し、2026年7月にオンチェーン流通額20億円を突破。国内初の信託型としてJPYSCも2026年6月に登場しました。USDCは国内ではSBI VCトレードのみ、USDTは国内取扱いがありません

ステーブルコインは日本で急速に制度が整いつつある分野で、2025年から2026年にかけて状況が大きく変わりました。ここでは仕組みの説明よりも、2026年8月時点で実際に何が使えて、制度がどうなっているかに重点を置いて整理します。

ステーブルコインの基本と種類

ステーブルコインは、価格を法定通貨などに連動させることを目的とした暗号資産です。ビットコインのように価格が大きく動かないため、取引の待避先、送金、決済といった用途に使われます。

種類仕組み代表例
法定通貨担保型発行額と同等の現金・国債などを保有して裏付けるUSDTUSDC、JPYC
信託型信託銀行が裏付け資産を信託財産として管理JPYSC
暗号資産担保型暗号資産を過剰担保として預け入れて発行DAI
無担保型(アルゴリズム型)需給調整で価格を維持しようとする—(2022年のUST崩壊以降、下火)

アルゴリズム型は2022年のTerra/USTの崩壊で信頼を失い、日本の制度上も裏付け資産のないものは電子決済手段として認められていません。

なお、中央銀行が発行するデジタル通貨(CBDC)はステーブルコインとは別物です。発行主体が民間か中央銀行かという根本的な違いがあります。

日本の制度:どこに位置づけられているか

日本ではステーブルコインを「電子決済手段」として資金決済法で規制しています。発行の類型によって呼び分けがあり、資金移動業者が発行するものが1号、信託銀行が発行する信託型が3号にあたります。

2026年の金商法改正では対象外

2026年7月15日に成立した金商法・資金決済法の改正により、暗号資産の規制が資金決済法から金商法へ移管されることになりました。ただし金商法へ移るのは「暗号資産」だけで、ステーブルコイン(電子決済手段)と前払式支払手段は資金決済法に残ります。金融庁の法案説明資料に明記されています。

この違いは実務上も意味を持ちます。暗号資産にはインサイダー取引規制や発行者の情報開示義務が新設されますが、ステーブルコインはその枠組みには入りません。施行は一部が2026年8月12日、本格的な施行は2027年4月1日の予定です。

2026年6月1日施行の改正資金決済法

ステーブルコインに直接関わる改正が、2026年6月1日に施行されました。主な内容は3つです。

  • 信託型の裏付け資産の運用範囲が広がった。従来は要求払預貯金のみだったのが、満期3か月以内の日本国債・米国債、中途解約可能な定期預金も認められました。ただし組入比率は発行総額の50%までで、国債で運用する場合は信託委託者に追加拠出義務があります
  • 仲介業が新設された。媒介のみを行う事業者が登録制で参入できるようになり、委託元が原則として賠償責任を負う所属制が採られています
  • 国内保有命令の整備。FTXの破綻を踏まえ、交換業者や電子決済手段等取引業者に対して資産の国内保有を命令できるようになりました

日本円建てステーブルコインの現状

JPYC

発行主体JPYC株式会社(資金移動業者、関東財務局長第00099号)
発行開始2025年10月27日
対応チェーンEthereum / Polygon / Avalanche / Kaia(Kaiaは2026年5月15日に追加)
オンチェーン流通額20億円突破(2026年7月10日発表)
累計発行額30億円突破・累計口座19,000件(2026年5月30日時点)
償還1JPYC=1円で日本円へ払い戻し可能
発行上限1回あたり100万円(2026年5月に「1日あたり」から変更)

発行の流れは、JPYC EXで発行予約をして指定口座へ銀行振込を行い、登録済みのウォレットへJPYCが発行されるというものです。償還はその逆で、2026年5月の更新で償還予約時のネットワークやアドレスの選択が不要になるなど、使い勝手の改善が続いています。2026年7月13日にはパスキー認証やウォレット連携、「かんたん送金」が追加されました。

実際に使える場所も広がっています。実店舗ではお好み焼きの千房(千日前本店・有楽町ビックカメラ支店)が2026年4月から対応、オンラインではコンテンツ販売や外貨両替などで利用できます。企業側の動きとしては、AZ-COM丸和ホールディングスが約2,300の委託先への支払いにJPYCを導入する方針を示しています。

JPYSC(国内初の信託型)

SBI新生信託銀行が発行し、SBI VCトレードが流通を担う信託型ステーブルコインが2026年6月24日に提供を開始しました。国内初の3号電子決済手段です。

当面はSBI VCトレードの口座内での利用に限られ、パブリックチェーンでの流通は法令や税務の整理が済んでから、とされています。送金・残高の金額上限がない点がJPYCとの大きな違いです。

そのほかの動き

  • EJPY——日本ブロックチェーン基盤が2026年5月13日に発行方針を発表。Japan Open Chainを中心とした信託型で、2026年度内の発行・流通を目標としています
  • 3メガバンク(Progmat Coin基盤)——2025年11月に実証実験が発表されましたが、商用発行の時期は未発表です

つまり2026年に実際に発行が始まった円建てステーブルコインはJPYSCのみで、実質的にはJPYCとJPYSCの2つが動いている状況です。

USDC・USDTは日本で買えるのか

USDC:SBI VCトレードのみ

USDCは2025年3月26日にSBI VCトレードが国内で初めて一般向けの取扱いを開始し、日本円で直接取引できるようになりました。2026年3月にはUSDCのレンディングも国内初で開始しています。

ここで重要なのが、金融庁の「電子決済手段等取引業者登録一覧」では、令和8年6月24日現在で登録業者が1社のみという事実です。つまり国内でステーブルコインを取り扱えるのはSBI VCトレードだけという状態が続いています。bitFlyer・bitbank・Binance Japanが取扱いを計画していると報じられた時期もありましたが、2026年6月時点で登録業者には含まれていません。

USDT:国内取扱いなし

世界で最も流通しているステーブルコインであるUSDTですが、2026年8月時点で国内取引所での取扱いはありません。国内での信託等による裏付け管理や円での償還体制が整っておらず、発行元のテザー社が国内拠点やライセンスを持たないことが理由とされています。

USDTの準備金については、テザー社が四半期ごとに開示しています。2026年第1四半期の内容は次のとおりです。

総準備資産約1,917億ドル
USDT発行額約1,834億ドル
超過準備(バッファ)約82億ドル(過去最高)
米国債保有約1,410億ドル
金(現物)約200億ドル相当
ビットコイン約70億ドル相当

ただし金やビットコインを含む現在の準備構成は、米国のGENIUS Actが求める要件(現金・短期米国債・政府MMFに限定)を満たしていません。テザー社は2026年1月に米国規制に準拠した別ブランド「USAT」を発行し、USDT本体はオフショアのまま維持する二本立ての戦略を取っています。

ステーブルコインの税金はどうなるのか

暗号資産全体の税制は2026年の法改正で大きく動いています。前提として仮想通貨の税金20%はいつからもあわせてご確認ください。

ここは正確に書き分ける必要があります。

  • 法人税・消費税については、国税庁のFAQに電子決済手段に関する専用の問が設けられています(取得時・譲渡時の課税関係、事業年度終了時の評価など)。期末時価評価の対象外である点なども示されています
  • 個人の所得税については、ステーブルコイン固有の取扱いを示した記載は確認できません。FAQ本文に「ステーブルコイン」という語自体がなく、電子決済手段に関する問は法人税・消費税の関係に置かれています

実務上は通常の暗号資産と同じ枠組みで処理するという解説が一般的ですが、これは国税庁が明示したものではありません。1JPYC=1円で発行・償還される設計上、原則として損益は生じないと考えられますが、決済に使った場合や報酬として受け取った場合の扱いを含め、判断に迷う場合は税理士に確認してください。

ステーブルコインで「儲かる」のか

価格が動かないことが設計目的なので、値上がり益を狙う対象ではありません。使い道は次のようなものです。

  • 相場の下落局面で一時的に資産を退避させる
  • 国際送金や決済の手段として使う(銀行送金より速く、手数料が安い場合がある)
  • DeFiでレンディングや流動性提供に使い、利回りを得る

3つ目には当然リスクが伴います。スマートコントラクトの脆弱性、プロトコルの破綻、そしてステーブルコイン自体がペグを外す可能性です。「元本保証のある預金のようなもの」という理解は誤りです。

まとめ

  • 日本ではステーブルコイン=電子決済手段。2026年の金商法改正の対象外で、資金決済法に残る
  • 円建てはJPYC(2025年10月〜、流通20億円超)とJPYSC(2026年6月〜、国内初の信託型)
  • USDCの国内取扱いはSBI VCトレードのみ。電子決済手段等取引業者は登録1社
  • USDTは国内取扱いなし
  • 2026年6月施行の改正で、信託型の裏付け資産に国債等を50%まで組み入れ可能に
  • 個人所得税におけるステーブルコイン固有の国税庁見解は示されていない

出典:JPYC(流通額20億円突破・2026年7月)JPYC(Kaia対応・2026年5月)SBI VCトレード(JPYSC提供開始)金融庁 電子決済手段等取引業者登録一覧金融庁 改正法案説明資料BUSINESS LAWYERS(改正資金決済法)国税庁 暗号資産等に関する税務上の取扱いTether(準備金アテステーション) ※数値は2026年8月時点

※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の商品の購入や税務判断を推奨するものではありません。制度は変更される可能性があるため、最新の情報は各公式サイトでご確認ください。

あなたへのおすすめ