仮想通貨全体の時価総額が最高値から過去最高の80%の下落を記録しました。
仮想通貨バブルが弾けて、低迷が続く仮想通貨市場は、1999年~2000年に起こったインターネット・バブル(ドッドコムバブル)と良く似ていると言われています。
今回は、ITバブルに似ていると言われている理由と、仮想通貨市場の今後についてお話したいと思います。
目次
仮想通貨市場の現状把握

去年の11月から今年の1月にかけて仮想通貨市場は一気に盛り上がり、ビットコイン価格は現在の3倍以上の1BTC=240万円付近にまで上昇し、それに伴い、アルトコインの価格も上昇したことにより、仮想通貨全体の時価総額が過去最高を記録しました。
しかし、ピークを堺に執筆現在の9月までの約8ヶ月間、仮想通貨市場は低迷を続けています。
過去最高値からの下落率は約80%です。
1,000万円が200万円になってしまうほどの下落です。
インターネット・バブル(ドッドコムバブル)の崩壊

こちらは、NASDQ全体の時価総額チャートです。
ITバブル絶頂期
ピーク時のNASDQ全体の時価総額は約750兆円ほどです。(仮想通貨の時価総額、過去最高は91兆円)
ITバブル期に特に株価が上昇した銘柄
- 光通信
- ソフトバンク
- NTTドコモ
- ヤフージャパン
- 楽天
ITバブル低迷期
2000年3月のピークを堺に、このあと約2年7ヶ月間の低迷が続き、下落率約80%にあたる時価総額150兆円くらいまで落ち込みました。
バブルが崩壊した原因は、次のような理由が考えられます。
- パソコンの普及が進みすぎて、機器が飽和状態になった
- 赤字経営のITベンチャー企業に対する警戒感が一気に広がった
- 高すぎる株価を疑問に思う人が急増
これらの情報が波及して不安を煽り、売りが一気に加速したようです。
このようにITバブルの崩壊には、リーマンショックの時のような明確な原因が無いのが特徴です。
リーマンショックとは
リーマン・ショックは、2008年9月15日に、アメリカ合衆国の投資銀行であるリーマン・ブラザーズ・ホールディングスが経営破綻したことに端を発して、連鎖的に世界規模の金融危機が発生した事象を総括的によぶ。
あえてITバブル崩壊の原因を挙げるとしたら、「新しい文化によって巻き起こった、期待先行の一大ブームが一段落し、大衆が理性を取り戻した」という一言に尽きると思います。
低迷が続く仮想通貨市場が、インターネット・バブルに似ていると言われる理由
それは、バブル崩壊の理由が一緒だということ。
先程、インターネット・バブルが崩壊した理由として明確な理由がなく、「新しい文化によって巻き起こった、期待先行の一大ブームが一段落し、大衆が理性を取り戻した」と説明しましたが、仮想通貨バブルも、まったく同じ理由で説明がつきます。
新しい文化に、みんなが一斉に飛びつきブームとなったはいいものの、規制が整っていない市場では詐欺やインサイダー、ハッキング、ICOで資金調達したのち何カ月間も音沙汰がないプロジェクトが横行するなど、仮想通貨に対する警戒が強まり、大衆が理性を取り戻したと言えます。
ひとつインターネット・バブルとの違いを挙げるとしたら、それは下落スピードの違いです。
仮想通貨の時価総額が最高値から80%の下落に到達した期間は約8ヶ月です。それに対し、インターネット・バブルは約2年7ヶ月かかっています。
この違いが今後、どのように影響するのかはわかりませんが、もしかしたら成長スピードも仮想通貨の方が早いかもしれません。
仮想通貨市場の今後
まずは、インターネット・バブル崩壊後のチャートをご覧ください。

バブルが弾けた後は上昇トレンドに転じ、ナスダック総合指数の時価総額は約12年の期間を経て2014年12月に過去最高値を更新しています。
もし仮想通貨も同じ道を辿るのであれば、下落スピードと比較した場合、約3年後の2021年で過去最高値を更新する計算になります。
バブル崩壊後、生き残った堅実な企業
インターネット・バブルが崩壊したあと、多くの企業が倒産したかと思いきや、統計上では10%程度しか倒産していないというデータもあります。
ITバブルを乗り越えて、大きくなった企業も数多くあります。
わかりやすい例で言うと、Amazon。簡単に推移だけ見てみると、100ドル→10ドル→2000ドルといったように、当時では考えられないような成長をみ遂げています。
生き残った企業の特徴で共通しているのは「堅実な経営をしていたこと」です。
これは仮想通貨市場にも当てはまります。
仮想通貨バブルが崩壊した後、世界的にみても上位企業の顔ぶれはほとんど変わっていません。これは一重に堅実な経営をしていた企業が多かったということに尽きます。
仮想通貨市場が80%も下落しているのにも関わらず、ピーク時と同じ企業が残っているというのは、すごく大きな意味を持ちます。
ましてや、今の低迷期を支えている企業の多くはベンチャー企業です。これから大手企業が参入してくるフェーズへと変われば、仮想通貨市場は上昇トレンドに転じることになると思われます。
基盤がしっかりしたものは残る
現在、仮想通貨は1,000種類以上あります。
この多くは、いわゆる草コインと呼ばれるものばかりです。仮想通貨の約99%は草コインと考えてください。
草コインの定義は明確にはありませんが、簡単に言うと、
- どこのだれが作ったか、よくわからない仮想通貨
- 目的があって作られているはずなのに、今後発展するのかどうかが、よくわからない仮想通貨
と考えていいと思います。
こんな草コインには、しっかりした基盤など到底ありません。そのほとんどが数年後には消えて無くなり、基盤がしっかりしている1%の仮想通貨のみが残り、仮想通貨市場の発展と成長を支えていくのではないかと思います。
仮想通貨の今後、最高値更新は2021年? ITバブルとの比較・まとめ
ビットコインが誕生して約9年。誕生した当時は1BTC=0.09円程度。今では1BTC=71万円程度。当時からみて約790万倍も価格が上昇しています。
ピーク時(1BTC=240万円)には2,600万倍も価格が上昇しています。
世の中にも全然普及していないし、世界的にも仮想通貨に関する規制もまだまだ整っていない状況での価格上昇(2,600万倍)は、新しい文化によって巻き起こった、期待先行の一大ブームと言わざる負えないと思います。
価格の下落は正常な現象で、これから仮想通貨に関する規制や世の中に普及する為の開発・サービスが進んだ上で、実需が伴えば価格が上昇していくんじゃないでしょうか。
ナスダック総合指数のチャートのように、価格が上昇していくのかは誰にもわかりませんが、仮想通貨市場の成長・発展はまだまだこれからだと思っています。